20071116

アイシン・エーアイ潟ット部

武居 徳真

 

2007全日本選手権を終えて

 

 全日本選手権が終わり一月が経とうとしていますが、いまでも目標を達成出来た喜びと感謝の気持ちで一杯の日々を過ごしています。今回、澤村理事長よりレースレポートの依頼がありましたので、ここに全日本選手権での感想を書かせて頂きたいと思います。

 

 今回の大会を通して、私は強く感じたことがあります。それは「心・技・運(縁)」という三つの要素が全てが満たされないと優勝という偉業は達成出来ないということです。(あえて心・技・体では無く運(縁)と書いています。)

 

全日本選手権に挑むにあたり、私にとって「心」の要素が最大の課題となっていました。

9月にポルトガルで開催された世界選手権に出場しましたが、結果は惨敗。世界の強豪選手を相手にする不安やプレッシャー、相手や勝利を意識し過ぎることでの焦りや苛立ちにより、全く自分の能力を発揮できずに大会が終了してしまったのです。まさに「自分に負けた」の一言でした。このような状態のまま帰国し、「ヨットを辞めたい」とまで思っていました。

 そんな日々を過ごす中、世界選手権準優勝の安部さんの「世界選手権なのに全然練習してないよ。でも久々にヨットに乗るのが楽しくてしょうがないんだ〜!!」という言葉を思い出し、全日本スナイプまで練習を一切しないことを決意。この選択が功を奏し、大会本番では「ヨット・レースを楽しむ」という気持ちを維持し続けることが出来たのです。

また大会に挑むにあたり、「優勝」を意識するのではなく、「優勝できなかったら愛知県まで自転車で帰る!!」というチャレンジ課題にすることで、プレッシャーを

感じず、常に前向きにレースが出来たと思います。(レセプション参加者はご存知の通り、レセプションにて宣言したのが良かったかも知れません!!)

このように優勝を目指すなかでも、スナイプの楽しさ・レースの楽しさを感じることの出来る状態で大会に参加出来たことが勝因の一つとなったのではないでしょうか。

 

さて、私達のペアーは二人の合計体重が125kgしか無く、体格も小柄な方だと思います。実際に強風のクローズ等では集団についていくのがやっとの状態です。

しかし、リーチングレグについては誰にも負けない絶対的な自信がありました。強風のクローズでの体重が軽いというマイナス要素をリーチングのスピードで克服(挽回)し、軽風下では軽量というプラス要素にすることが出来ました。これにより全てのレース展開が容易になりました。「リーチングにて絶対に順位を上げることが出来る」という要素を持っているので、例えばスタート時にリスクの高い場所からスタートする必要がない・順位が悪くても挽回のメドがつくので焦らずにセーリングに集中できることが可能となりました。私達の場合は「リーチング」でしたが、どこか一つでも他人より秀でた技(スタート・クローズ・ランニング等何でも良い)を持つことでレース展開が非常に楽なものになると思います。

 また、私達はこのリーチングのプラス要素をふまえた上で、優勝する為のレースプランを立てていました。そのレースプランとは「全てのレースで1マークを20位以内で回航し、リーチングにて勝負をかける。フィニッシュは10位以内」というものです。一見、無謀なプランのようにも見えますがリーチングに絶対的な自信を持っている私達には達成可能なプランでした。このレースプランがあった為、5レース目に1マークを25位前後で回航した際も全く慌てずにレースを展開することができ、フィニッシュでは10位まで挽回することが出来たのだと思います。

 このように、ある一つの秀でた「技」とそれをベースとした明確なプランニング

が勝因の2つ目となったといえるでしょう。

(みなさんも弱点克服の練習だけではなく、長所をのばす練習をしてみてはどうでしょうか!!)

 

3つ目の要素である運(縁)については、今回奇跡てきな体験がありました。

 現在、私が勤めている会社の取引先の営業さんにある日こんなことを言われました。「いや〜うちの上司もヨットをやっていまして、ぜひ一度武居さんと勝負したいといっているんです!!」最初は全く意味が分かりませんでした。全く予想の出来ない展開での知り合い方でしたが、これも何かの縁ということで、和歌山県で開催される全日本選手権へ応援に来てくださるということになったのです。(その方は和歌山県の星林高校の出身であったので)

    大会期間中はサポートボートまで手配して頂き、まさに完全なるサポート体制を整えて頂きました。実際4レース終了時私達の艇は大きなトラブルを抱え、次のレースをリタイアせざるを得ない状況にありました。しかしサポートボートの助けにより、無事5レース目に出場することが出来たのです。もし仮に5レース目をリタイアしていたならば、今回の優勝は達成出来ていなかったでしょう。

例え心や技が整った状態であったとしても今回のように運(縁)に恵まれなくては決して勝利することは出来ないと思います。これからも人との出会い・「縁」を大切にしていきたいと思います。

 

 

最後になりましたが、

 

素晴らしいレースを運営して下さったスナイプ協会、和歌山県連の皆様

夜勤明けにも関わらず計測に付合って下さった 百済さん

行き詰った私を導いて下さった、安部さん

スナイプ・人生の師匠である 内田先生、みち子さん

スナイプの楽しさを教えてくれた 中部フリート・関東フリートのみなさん

絶大なるサポートをして頂いた、 波田さん、岩出さん、島田さん、神田さん

素晴らしいセールを提供して下さるノースセールの方々、白石さん、中村さん

いつも応援してくれる 先輩の方々、同期のみんな、後輩達

快くレースへの出場の機会を下さる アイシン・エーアイ鰍フ皆さん

大学までヨットを続けさせてくれた 両親

共に一年間頑張ってきた AI−Aチームのみんな、皿沢コーチ

そして誰よりも私の我がままに付合ってくれているクルーの伊藤君

 

    本当に皆さんのお陰で全日本選手権優勝という偉業を達成することが出来ました。

   心から感謝しています。本当に有難う御座いました。また、これからも宜しく御願い申し上げます。

   

このスナイプという素晴らしい競技の更なる発展と、いつの日か日本人からワールドチャンピオン誕生することを目指して今後も活動していきたいと思います。