10月23日(水)/第2レース
風速4m/s、風向75で9時に予告信号が揚がり、9:05スタート。ジェリー・磯部組は下2番でいいスタートが切れた。すぐ風上には西半球優勝のアギーディアスが。徐々に頭を出してきた私たちは彼らがタックした後タックを返した。スターボー艇とのミートで下受けタック。そのまま左に延ばしたかったところだったが、ポート艇に頭でタックされ、やむを得ず再タック。タックを繰り返し真ん中コースを走ったのが災いした。両端が延びたのだ・・・。右に出た奥村組と左に出たブラジルのビビ、USAのアーギディアス、バハマのジミーがいい順位で回航した。ジェリー&磯部組は真ん中あたりになってしまった。風もどんどん弱くなっていった。フィニッシュしたころには2m/sくらいまでになっていた。最終的にはブラジルのおば様セーラービビがフリーでアーギーたちを抜きトップフィニッシュを飾った。2位がアーギーディアス、3位がバハマのジミーロー、奥村組は6位フィニッシュ。ジェリーが13位という結果だった。上位3チームは0.25差で混戦である。明日の2レースが楽しみだ。
Snipe Masters World Championship 2002 in Florida
10月24日(木)第3レース
いよいよ最終日。今日も軽風である。上位陣は混戦模様だったが、そこから脱落したのがバハマのジミー・ロー夫婦であった。このレースでリコールは3艇。その中に彼らも入っていた。軽風シリーズになった今回は昨日1レースしかできなかったためドロップレースがないことが決定していたので横文字をたたいてしまうと致命傷になってしまう。61艇いるのだから・・・。このレースでトップを引いたのは地元のコリン・パーク組である。彼もジェリー・トンプソンと同じマスターズクラス(55歳〜64歳)なので、ジェリーにとってはジミー・ローと共に一番のライバルである。さて日本チームであるが、全チーム真ん中より下の順位であった。ジェリー・トンプソンもスタートが悪く、追い上げたものの18位であった。優勝候補の一角であったブラジルのビビも20位フィニッシュと大きくスコアを崩してしまった。現在トップに躍り出たのは西半球大会でも優勝したアーギー・ディアス組だ。このレースも5位でまとめ、1.75点差で現在トップだ。
第4レース
最終レースである。風は相変わらずである。ジェリーと私はこのレースはトップフィニッシュをすると気合を入れて会心のスタートを切った。ミートするポート艇をタックさせ、私たちは右へ返した。ポートで走りながら、右が伸びていることが明らかであった。アーギー・ディアスたちも私たちのすぐ風上にいた。あとはボートスピードの問題である。今日のジェリーは本当に速かった。角度もよかった。私たちだけが上っているような感じで、アーギー・ディアスたちは私たちの真後ろに付く形になった。あの状況で耐えた彼らはさすがである。多くの艇は耐えられずタックを返してしまい、より遅れるというパターンにはまっていたからだ。奥村組もその耐えられなかった組だった。第1マークをトップで回航したのは増田・谷口組だった。2番がジェリー・磯部組。その順位のままで走っていたが、最終下マークでジェリー組が増田組をかわし、トップに出た。増田組は2番で回航。後続艇もすべて私たちの後を追いかける形だったが、増田組が1艇だけタックを返して、そのまま反対側(左)に突っ込んで行ってしまった・・・。2位を守ると思っていたのでその判断にはただ驚くばかりだった。結局彼らは20位フィニッシュまで順位を落としてしまった・・・。最終レースはそのままジェリー・磯部組がトップフィニッシュで有終の美を飾った。最終的に総合順位2位のコリンを押さえ、彼らの一つ前の8位でフィニッシュしたアーギー・ディアス組が今大会の優勝を勝ち取った。ただ、アーギーとコリンは年齢が違うためアーギー組はアプレンティスクラス優勝で、コリンはマスターズクラスの優勝ということになる。そして総合4位に入ったブラジルのおば様セーラービビは、グランドマスターズクラスの優勝である。余談だが、彼女のヨット着はジーンズである。きっと昔からずっとそれが彼女のヨットスタイルなんだろう。尚、ジェリー・磯部組はマスターズクラスの2位で表彰された。やはり表彰されるのは気持ちがいいものだ。日本チームの成績は今ひとつだったが、それぞれが楽しんだのではないだろうか。次のマスターズは2年後にイタリアで開催される。今回は飲み物代は別というシステムだったが、イタリア大会はフリードリンクであることをエンリコがスピーチし、会場を大いに沸かせた。