US-Youth championship 2002
今回の大会は、全米予選で勝ち抜いた13歳〜19歳までの選手約150名で行われた。種目は420級、470級、レーザー、ヨーロッパ級の4種目。
13歳というと中学1年生だ。そんな子どもたちがいる大会とは思えないほど、みんなしっかりしていた。毎日海面まで運営船が30分ほど曳航して連れて行くのだが、曳航される準備も自分たちで手際よくできるのだ。運営スタッフも最低限の指示だけで十分。これがジュニア時代から自然に培われた術なのだろう。それぞれのセーリングクラブのメンバーで構成されたペアがほとんどのため、男女混合ペアの数が多い。日本ではあまり見ない光景だった。アメリカではごく自然なことらしい。
曳航ロープは写真のように軽いナイロン系のロープ(工事現場等でよく使われる材質)に細いロープを1m間隔でたくさんスプライス(splice)して作ってあった。この輪に各艇はバウラインを通し、マストに固定するのだ。これでたくさんの艇が簡単に曳航できるというわけだ。
さて、大会の前半2日間は、オリンピック強化コーチたちによる陸上&海上での指導が行われた。練習をしながらコーチからの指示が飛ぶ。こういう指導を経て、選手は後半4日間のレースに臨むのだ。この地に来てからも彼らはどんどん上手くなっていく。150人をまとめるのだから強化コーチたちは大変だが、将来のオリンピック選手予備軍なのだからコーチたちも真剣だ。
いよいよレースだ。前日までの練習の成果か、Youthの大会とは思えないほどスタートも上手い。選手のレベルに差があるのは否めないが、スタートのレベルはその辺の大人たちより上手いのではないだろうか。今回はダブルハンド艇とシングルハンド艇とで海面を分け、2海面でレースは行われた。コースはトラベゾイド。私はWハンド海面2日間とSハンド海面2日間、それぞれの本部船に乗せてもらった。毎日運営スタッフが数人入れ替わるので毎日が自己紹介で始まる。私もアメリカ人の名前を覚えるのは大変だった。Jeff,Ann,Bobb,Rob,Kenny,Robin,Caren,Sam,Jone,Dick,Sean...これくらいの一言名前なら何とか覚えられたが、とくに女性の名前は難しかった。今度からは名前をノートに書いてもらおうと思う。一度じゃとても覚えられない。
Race Management
レース運営は本当にすばらしかった。時間も旗も正確だった。海上でのチェックインもとてもはっきりしていて、選手の立場からしてもとても気持ちのいい運営だったと思う。例えば、1艇づつはっきりと大きな声で「Number
123, thank you!」とコール。「Thank you!」いい言葉だ。選手にだけではなく、本部船から各運営船へ無線を飛ばしたときにも必ず最後は「Thank
you!」だ。運営の連帯感も生まれるだろうし、最適な言葉だなと感心した。「Thank you!」と言われて誰も悪い気はしないだろう。
選手たちからも「Thank you!」が自然に飛び交っていた。

Wハンド海面で使っていた本部船は個人の船だった。とても豪華な船でトイレが2つあり、シャワーもついていた。
日本では本部船には使わないだろうと思われる船だった。また、号砲がまさに「銃砲」だった。無造作にその辺に銃が置いてあるのもアメリカならではか。見ること聞くこと驚きの連続の大会であったが、たくさんの人と出会えたことは本当に貴重なことだ。私自身の成長も含めて、たくさんのことをアメリカ研修で吸収したいと思う。
いい経験ができたことをたくさんの方々に感謝したい。
「Thank you so much
for everything!」
各種目の優勝者と入賞者の写真はこちら
420級
470級
レーザー級
ヨーロッパ級 
入賞者
←Back
→Next
|